カバラ数秘術



生命の樹

カバラ数秘術とは何か

カバラ数秘術とは、単なる数字遊びではありません。それは数字と私達を取り巻くあらゆる事象との間に存在する謎を解き明かすための秘術なのです。このページでは欧米ではホロスコープと並んでポピュラーなものである数秘術をできるだけ平易に解説し、誰でもが簡単に数秘術を用いて占いをできるように手助けをしていきたいと思います。多忙のゆえ、まだまだ作成中ではありますが、ぜひご期待いただければと思います。

現在、神秘的な秘儀として伝えられる数秘術と言われているものは、古代の数学者達の間では案外ポピュラーなものでした。例えば、そう、あのピタゴラスもその一人でした。天才的な数学者である彼は、生まれつき数字の持つ魔力に取り付かれていました。今では世界中の子供達が習う直角三角形に関する定理を発見したのも彼です。そんな世紀の天才が、若い頃、古老から数秘術の奥義を聞き、熱狂的にのめり込んだと言います。そして苦心の末、今日にまで伝わる数秘術を体系だてたのです。なお、彼のことを「数秘術の父」とはよく言われることですが、数秘術はピタゴラスの時代の数百年も前からカバラの秘儀として伝わっていました。むしろ彼は「数秘術の中興の祖」と言うべきでしょう。
ちなみに彼は晩年、ピュタゴラス教団といわれる秘密結社を創設しています。数字を基礎として、音楽、数学、哲学を探求するための結社であるといいます(現在でも細々とながら存続しています)。彼は西洋人にしては珍しく輪廻転生の思想も持っていたと言いますから、教科書で知るのとは違って、なかなかひと筋縄ではいかない人物であるようです。

ところで、現在では数秘術は数学の一分野であるとは考えられていません。少なくとも、表立ってはそうです。ほとんどの科学者から疑似科学であるとして、脇に追いやられています。これは占星術から生まれた天文学、錬金術から生まれた化学などの持つ歴史的経緯と良く似ています。

今日、数秘術はよくオカルトチックなものだと勘違いされることがあります。そこまでいかなくとも、ホロスコープなどの占いと同じものだと考えている人が多いでしょう。あまつさえ、株や会社の業績を予測するために数秘術を利用している人までいます。金融工学も確かに数字を駆使し、出た数字を解析することで何らかの意味を読み取ろうとするものですが、それは数秘術とは少し違います。

数秘術とはあくまでも、”人間に備わっている本質”を数字により解き明かすことを目的としたものです。ですので、その会社や事業主の本来的性質を理解する助けにはなりますが、明日あなたの購入した株が上がるかどうかは分かりません。というか、調べる対象となりません。それは宇宙の視点で見れば本質とはなんの関係も無く、とても瑣末的な事柄だからです。

古代の数秘術:

歴史家達によれば、数秘術は以下のさまざまな知識の蓄積から成り立っていると考えられています。すなわち、古代バビロニア、前述のピタゴラス(B.C.6世紀)、古代エジプトのアレクサンドリア、グノーシス派の教義、カバラの秘教。さらには、ヒンズー教の聖典・ベーダや、中国の輪廻転生思想、など驚くほど多岐にわたります。

ピタゴラス及び彼と同時代の哲学者達は、数学を抽象的な学問ではなく、もっと具体的で現実に即したものであると考えていました。それはいわば、プラグマティズム(実用主義)と万物流転の法則を融合した考え方といえるでしょう。

古代キリスト教の聖人・アウグスティヌスはその著書にこう記しています。
”いったいに、数字というものは、謂わば洗礼などと同じく、神が人間に与えた万物に通じるための言語のようなものなのである”
と。アウグスティヌスはラテン教父とよばれる一群の神学者たちの一人で、ラテン語圏の古代キリスト教世界において当時最大の影響力を持っていた理論家としてその名を知られています。ピタゴラスと同様に、彼もあらゆる事象は数字と相関関係を持っていると考えていました。そしてその関連性の秘密を解き明かす事ができれば、彼の云う”万物に通じるための言語”を明らかにする事ができると堅く信じていました。

西暦325年3月20日、トルコ共和国南部の町イズニクでキリスト教の歴史上初めての全教会規模の会議が開かれました。いわゆるニカイア公会議と呼ばれるものです。
この席で、教会の教えに背くものは市民としての権利を剥奪されることとなりました。その中には数秘術の教えを信じる事も含まれていました。その他にも占星術などの占い、魔術的な儀式も違法とされました。

そんな迫害の中、この偉大なる数字の秘術は街から姿を消し始めました。しかし、教会からの抑圧にもかかわらず、敬虔な信奉者たちはその後も多く存在し続け、口伝でその秘密の知識を伝えてきました。カバラ(Kabbalar)とはもともとヘブライ語で伝承を意味します。 現代の数秘術:

数秘術はおそらく世界で最も古い占星術の一つです。そしてまた、最も扱いの簡単な占術でもあります。古代においては、原始的な部族たちが自分たちの命運や、神の導きを得るために数秘術を使っていました。今日では、不安定な時代を生きる人々が、救いや導きを得るために数秘術を用い、自らの天命を知ります。また、カバラなどとの関連性でも注目されています。

現代最大のキリスト教国家であるアメリカでは、ホロスコープに並んで最もポピュラーな占いの一つです。政治的にはイスラエルとも強い結びつきを持つため、カバラ数秘術は彼らにとって親しみやすい占いなのでしょう。

現代においても、数秘術師たちは、数字を単に計算するために存在するものではなく、宇宙的なメッセージがそこにあると考えます。この考えを体系的に確立したのが、前述のピタゴラス(BC530)、そしてアグリッパ(AD1534)です。この二人の数学者はこう考えました。数字とは、目に見える意味(数学的)と心でしか感じられない意味(精神的)の両面をあわせ持っているものなのだ、と。

この秘教ともいえる数秘術が、20世紀になって再び脚光を浴びたのは、戦前の占星術研究家であるL.D.バリエットとフローレンス・キャンベルによって書かれた一連の書物によります。彼らは数秘術で用いられる計算式(単数変換など)の確立にも一定の貢献があります。現代の数秘術家はみな彼ら二人と同じ方法論に基づいて解釈を行います。

二つの数秘術:


数秘術には二種類の方法が知られています。すなわち、ピタゴラス法とカルデア法です。

両者は異なるシステムを持っています。

ピタゴラス法では1〜9までの数字を用いますが、古代カルデア法では1〜8までです。

ピタゴラス法は数学者ピタゴラスが古代から伝わるカルデア法を改良する事で、創始されました。それは紀元前600年ごろの話で、その他の伝統占術、例えば西洋占星術や四柱推命などと比較するとずいぶん最近の話です。それゆえ、ピタゴラス法のことを時に『モダン数秘術』と呼ぶ事もあります。

それでは、そのピタゴラス法の基となったカルデア法の発祥はいつなのでしょうか。実は、それは良くわかっていません。ただ、少なくとも紀元ごろまでにはカバラ(ヘブライの神秘哲学)の教徒や古代エジプト人たちが数秘術を用いていたことが分かっています。

ピタゴラス法の占い結果が比較的現代人にも理解しやすいのに対し、カルデア法では占い結果に古代の神話との関連性を持たせたものが多く、我々には理解しがたいものが含まれています。また、数秘術では誕生日の年月日とともに名前も解析しますが、その場合、ピタゴラス法では本名を用い、カルデア法では(最も知られた)通名でもよいことになっています。これは現代と違い、古代は誰しもが固有の名前を持っていたわけではないことに由来しています。

このページでは、ピタゴラス法を基にして解説をしていきます。

数字と名前:

 1

統合、創造、独立

 2

 二元、誕生

 3

 力、生殖力

 4

 堅実さ、退屈

 5

 官能性、享楽

 6

 完全性、調和、バランス

 7

 神秘、精神的、魔性

 8

 物質、成功、正義

 9

 精神的、知性、心的達成
数秘チャート


上記に加えて、11、22はマスターナンバーと呼ばれ特別に扱われる。算出時にこの数字が出たら、それ以上計算はしない。名前から算出された数字にこれらの数字を持っている人は、極めて高い精神性を持っていると数秘術は考えます。


名前を数字に変換する:

 1
 2
 3
 4
 5
 6
 7
 8
 9
 A
 B
 C
 D
 E
 F
 G
 H
 I
 J
 K
 L
 M
 N
 O
 P
 Q
 R
 S
 T
 U
 V
 W
 X
 Y
 Z
 
アルファベット・数字変換チャート

このチャートを用いて名前を数字に変換していきます。例として、木村拓也さんを占ってみましょう。
木村拓也さんの名前をローマ字に直すと、Takuya Kimura となります。

すると、名前(ファーストネーム)はt→2、a→1、k→2、u→3、y→7、a→1、となります。
名字(ラストネーム)はk→2、i→9、m→4、u→3、r→9、a→1、となります。
この数字をそれぞれ足していきましょう。

(続く)